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京都発大龍堂通信:メールマガジン通巻13414号 2017年12月16日
内山正一作品展 『ノスタルジックワ─ルド 版画・人形・ミニチュア民家』

■『ノスタルジックワールド ミニチュアで見る』
-日本の民家・祭・民話・懐かしい風景-

著:内山正一
発行:オクターブ
定価:(本体1,700円+税)82p・20×20p
978-4-89231-076-8
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ミニチュアで見る 日本の民家・祭・民話・懐かしい風景;忘れられゆく美しい日本の風景をミニチュアで再現。あの日のぬくもりとともによみがえります。
[目次]
日本の民家
思い出の集落
日本のまつり
日本の民話、童話
メルヘン
ルナパーク
昭和の風景
子供の遊び
宮沢賢治の世界
作品リスト

▲『ミニチュア民家園』
-美しき歴史の保存 工作倶楽部-

著:内山正一
発行:山海堂
定価:(本体1,262円+税) 62p・26p
978-4-381-07056-2
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[目次]
COLOR(民家の四季 本棟造りの民家 寄棟の民家 多層の民家 京都美山町の民家
      鳥居のある民家 大和棟の民家 白川郷・合掌造り 川越の倉造り 京都の町家 民具)
私のクラフトワーク
日本民家の旅
民家の種類と特徴
道具と材料
彩色と塗料
あると便利な工作道具
白川郷・合掌造り
田麦俣の多層民家
人形・蓑笠・篭・家畜の作り方
京都美山町の民家
川越の倉造り
2016年3月1日〜6日
京都文化博物館・内山正一個展パンフレット
▼『内山正一 ノスタルジックワールド』
-日本の民家・祭・民話・懐かしい風景-


著:内山正一
発行:『伏見の酒蔵』の常設展示を求める会
定価:(本体93円+税)A4・10p(カラー)
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[著者プロフィール・内山正一 (ウチヤマ ショウイチ)]
ミニチュア造形作家(日本民族建築学会会員)。1948年千葉県生れ、現在は京都在住20歳の頃から、日本全国の民家や祭りを撮影・スケッチして回る放浪の旅を繰り返しながらミニチュア民家の製作を始める。そこに住んでいる人々の生活の匂いや息づかいが伝わってくる作品を数多く制作。最近では、各地に伝わる祭りや民話、童話の世界まで創作範囲を広げている。
内山正一哲学
私のクラフトワーク
旅と伝統に魅せられで・・・・・
私がミニチュアの民家を作ろうと思ったのは,もう20年ほど前になるだろうか.
初めて見た白川郷の合掌造りに感動し,何とか作れないものかと思ったのが,最初だと思う.趣味で木彫をやっていたこともあり,屋根なども板を使い,彫刻刀で彫り込んで作っていた.
本格的に作ってみようと思ったのは,昭和47年頃だったと思う.その頃は,アルバイトで仕事をやり,お金がたまると50ccのバイクやポンコツ車で日本中を巡 っていた.どちらかというと,田舎志向だった私は,古い街や宿場,まだ知られていない村々を訪ね歩くのが好きだった.そのなかに山形県の田麦保,新潟県の山古志村などがある.
山古志村に初めて行ったのは,ちょうど雪どけの頃だった.ふきのとうが咲き乱れ,朝靄のなかに浮かぶ民家群は,とても美しく,かわいらしくも思えた.そんな民家が自分の手元にあったらどんなに楽しいだろ う,と思ったのが二度日の小さな民家作りへの挑戦だった・しかし‥…,いざ作ろうと思い,やってみると,これが大変.合掌造りのような単純な形でなく.雪国独特の中門造りなので.なかなか自分の思うようには作れない.今までのように屋根を板で作るとバランスも悪く.作るのも大変だ.ここはどうしても草葺きで作る必要があった.誰か作っている人がいると聞いては訪ねたりしたのもその頃だった.作り方を尋ねると失礼になるので,見せてもらうだけだったが,みなさん,屋根には苦労されているようだった.本物の民家の屋根を葺くように草を束ね,しばりつけながら積み上げていく人もいたし.U字型の釘で打ちつけながら葺いている人もいた.
さて,私はというと.試行錯誤の末,身近にある藁を使うことにした.藁の穂先を20本ほど束ね,それを先の方から切り,ボンドをつけて積み上げていくのだ.今までのように板を削るのではないので仕事も早く,民家としての感じもでてきた.しかし.その藁もコンバインなどで稲を刈ってしまうため.手に入りづらくなり,今ではマオランとマニラ麻を混ぜて使っている.
はじめの頃は,民家のことがあまりわからず作っていたのだが,いくつか作っていくうちに構造や間取りなどもわかってきた.すると,作っていくものは,自然と何十分の一かの模型になり.何もわからず作っていたときの方が形としてはおもしろいのだ.これは,いったいなぜなのだろう?ここで私は壁に突き当った.
正確に作れば作るほど,形はつまらなくなる.それで,民家の守るべきところは守り,思いきり崩してみようと思い,屋根などを大きくしたり,民家をわざと少し傾けたりしてみた.すると模型らしさが少しなくなってきた.私の民家のような置き物の場合,どうしても上から見るようになるので,屋根は大きめの方がバランスよく見える.こうなると,自分の感覚で作るので,作品が完成して,少しでもおかしいと思うと何度でも図面を描き,納得がいくまで作り直す.
次には,生活の匂いがなければならない.簡単な民具や薪など,家の前に置いただけで雰囲気が出てきた.季節感を出すために.例えば柿の木を置いてみると秋になる.秋は収穫の時期であり,家の庭には作物が乾かしてある.ニワトリが餌をついばんでいる.子どもたちが遊んでいて.縁側では,おばあちゃんが居眠りをしているという具合だ.
あとは,冠婚葬祭や村の祭り,その地方の民話などを取り入れると,どんどん広がりがでてきた.はじめの頃は,まったく作れなかった小さな人形も,いくつか作っているうちに何とか形になってきたし,木なども針金で作れるようになり,少しはおもしろくなってきたが,完成にはまだまだ遠いようだ.
民家そのものの美しさに引かれ,民家だけを作っていた私だが,今では民家を中心とした人々や,とりまく事物などに興味が移ってきている.どんどん自然が失われ.人の暮らしも変化し,民家も残されているものがなくなりつつある.だからこそ,もっと取材に出かけなければならないのに,ゴミとがらくたの山に埋もれた部屋で,夏でも人形を乾かすためにストーブをつけ,ボンドとシンナーでふらふらになりながら創作を続けている最近の私だ.内山正一



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