HP内の目次へ・検索もできます! 『茶室露地大事典』

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京都発大龍堂通信:メールマガジン通巻13355号 2018年8月25日
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ご注文品といっしょにお送りいたします。

『茶室露地大事典』

監修:中村昌生
編集委員(50音順):池田俊彦、桐浴邦夫、倉澤行洋、
仲 隆裕、中村利則、西和夫、日向進
記念特価:(本体円23,000+税)
B5・1,008p(上製ケース入)
978-4-473-04188-3
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日本建築・庭園文化の粋 茶室と露地 茶室・露地を知るために欠かせない一冊。収録項目数約4、900項目。図版・イラスト総数約1300点。茶の湯を実践し体験する空間である茶室・露地について、関連する茶の湯など周辺の用語も網羅し、今日までの研究成果と情報を反映して構成する事典です。
《これまでにない充実の内容》
〔本事典の七つのポイント〕

総項目数は同種事典では最多の約四、九〇〇項目厳選した項目を、各分野で活躍する五〇名を超える執筆陣が執筆しています。
茶の湯用語の項目も充実しています。茶人や茶書をはじめとする、茶室・露地を知る上で欠かせない茶の湯関連の項目も多く立項し、充実させました。
より深く理解できる詳細な解説内容・茶人と茶室のかかわりや茶室・露地の歴史、茶室の広さなどの重要項目は、単なる事柄の解説にとどまらない詳細な内容となっています。
付録ページでさらにわかりやすく、巻末の付録ページでは、文章だけではわかりづらい茶室の各部分の詳細や、露地中の様々な役石などについて、イラストを交えて解説。本文には、約八五〇点の図版と約一五〇点の平面図を収録茶室や露地はもちろん、部材、史料などの多くの図版を本文中に配しました。また重要な茶室の項目には平面図を添載しています。
建築技法、部材、大工用具や棟梁の略歴についてもわかります。茶室を構成する様々な部材と造り出す技法や道具、それらを駆使して名作を残した棟梁など、「造る側」の視点にも目を配っています。
日本各地の茶室、近代和風建築、煎茶室の項目も充実、首都圏や近畿圏のみならず、北海道から沖縄まで各地の茶室をひろく立項しています。また近年、研究が進んだ近代和風建築や煎茶室についても充実した内容になっています。
『茶室露地大事典』発刊に寄せて
隈 研吾(東京大学教授・隈研吾建築都市設計事務所主宰)
千利休の生きた時代と、われわれの時代はよく似ている。グローバリゼーションの大波にいかに対処するかが、どちらの時代でも、最大のテーマであった。堺の商人の家に生まれた利休は、グローバリゼーションがいかなる危機をもたらすか、世界とはどのような形で、この島国に襲いかかるかに最も敏感であった。小さくても豊かな世界を築いて、世界という大きさに対抗する途を利休は示した。茶室・露地こそその小さな砦であった。この小さな世界の豊かさを示すには、まずこの世界で使われている言葉に慣れ親しまなければならない。そうすることで、われわれもまた、世界という大きさに対抗できるかもしれない。
庭屋一如 ―刊行のごあいさつ 中村昌生
茶室も茶の湯の道具であります。千宗旦の高弟・山田宗?は、『利休茶道具図絵』の最初に一畳半、二畳、四畳半の寸法書と図を取り上げていました。もっぱら茶室や露地を取り上げた茶書や、図や寸法などを記した刊本、写本も刊行されましたが、茶室や露地のことは、茶書の中で説かれてきました。ですから研究のためには、茶書のすべてに眼を通さ ねばなりません。それは生涯をかけても為し遂げられないことです。今も茶書は読んでおりますが、特に茶室に関する記載はなく、点前作法について述べられているところを通じても、その茶室の佇まいが浮かんでくることがあり、他の茶の湯道具と茶室が同じであることを感じます。茶室には必ず露地があります。茶室と露地も一体なのです。千利休は、茶の湯は「路地入ニテミル事肝要」と説いていました。露地口を入る時から茶の湯は始まる。庭である露地も屋内である茶室も一体に組み立てられるのです。日本の住まいは古くから庭(自然)と一体に組み立てられ、「庭屋一如」の伝統を貫いてきたのです。利休の茶室もその伝統に根ざしています。
この事典は茶の湯道具としての茶室、露地を対象としました。そこで項目の選択にも配慮し、建築と庭の専門家だけでなく、茶の湯の研究家にも執筆をお願いしました。 そして、先述のような茶室と露地に対する考え方を共有される方々によって執筆もなされています。
本事典の出版にあたり、隈研吾先生からメッセージを頂き、編集委員一同感激致しました。代表して心から御礼申し上げます。この事典が茶室、露地に関心のある方々の座右に備えられ、茶の湯、建築、庭園を通じて、日本の文化の未来に貢献できることを期待しております。
【付録ページ】
茶室・露地の部分もわかりやすく図解。
付録ページは、解説の理解を助けるために、約一五〇点のイラストと写真を用いて、茶室や露地がさらに詳しく理解できるよう心がけました。露地については二重露地の構成、中門のまわりや蹲踞など露地における様々な役石や飛石、延段、手水鉢、石燈籠などの種類について解説します。
茶室については、茶室内外の部分名称、屋根や天井の形式、炉の切り方、亭主や客の出入り口、さらに茶室を構成する各部材など、見えない部分に至るまで詳細に解説します。
【付録】 目次
露地
二重露地の構成例/露地の役石(腰掛・砂雪隠、中門、蹲踞・縁先手水鉢)/飛石のいろいろ/延段のいろいろ/手水鉢のいろいろ/石燈籠のいろいろ。
茶室
茶室外部の部分名称/躙口まわりの役石/屋根の部分名称といろいろな形式/茶室内部の各部名称/亭主から見た点前座まわり/炉の切り方(八炉の切り方) /書院床の各部名称/床まわりの釘 /客の出入り口と亭主の出入り口/茶室の窓(下地窓・連子窓・突上窓)/障子のいろいろ/欄間のいろいろ/茶室の天井/水屋棚の部分名称と荘り付け/大工道具のいろいろ/茶室の骨組/切壁下地工法/材のとり方/継手・仕口と矧合せ/縁の種類(切目縁・槫縁の部分名称)/門(腕木門)の各部名称
【監修委員のプロフィール】
●監修
中村昌生(なかむら まさお)

1927年、愛知県生まれ。京都大学助手、京都工芸繊維大学工芸学部教授を経て、同大学名誉教授、福井工業大学名誉教授。工学博士(京都大学)。
多年にわたり研究と創作を通じ、一貫して茶室・和風建築の伝統を追求。伝統建築技術の継承のため、1980年に京都伝統建築技術協会を同志と設立、1990年より同会理事長をつとめる。その他、桂離宮修理懇談会委員、文化財審議会専門委員、京都迎賓館懇談会委員、茶の湯文化学会会長などをつとめる。
日本建築学会賞、日本芸術院賞、京都府文化賞特別功労賞、圓山記念文化賞、アカデミア賞などを受賞。京都市文化功労者。著書に『茶匠と建築』、『茶室の研究』、『京の町家』、『数寄屋建築資料集成』、『茶苑の意匠』、『近代数寄屋邸宅集成』 、『数寄の意匠』、『日本の匠』、『数寄屋と五十年』ほか。
作品に新宿御苑楽羽亭(東京都新宿区)、山寺芭蕉記念館(山形市)、出羽遊心館(山形県酒田市)、兼六園時雨亭(石川県金沢市)など。
●編集委員(50音順)
池田俊彦(いけだ としひこ)

1955年、兵庫県生まれ。イケダ数寄屋研究所所長。著書に『和風建築の意匠第5巻 空間のひろがり』、 共著に『国宝・重文の茶室』、『藪内家の茶道』ほか。
桐浴邦夫(きりさこ くにお)
1960年、和歌山県生まれ。京都建築専門学校副校長。著書に『近代の茶室と数寄屋』、主要論文に「武田五一『茶室建築』をめぐって」ほか。
倉澤行洋(くらさわ ゆきひろ)
1934年、長野県生まれ。神戸大学名誉教授、宝塚大学大学院特任教授、心茶会会長など。著書に『藝道の哲学』、『珠光』、『対極・桃山の美』ほか。
仲 隆裕(なか たかひろ)
1963年、京都府生まれ。京都造形芸術大学芸術学部教授。著書に『京都の庭園―遺跡にみる京都の庭園』、共著に『庭園史をあるく―日本・ヨーロッパ編』ほか。
中村利則(なかむら としのり)
1946年、石川県生まれ。京都造形芸術大学芸術学部教授。著書に『町家の茶室』、編著に『茶道学大系第6巻 茶室・露地』、共著に『茶室空間入門』ほか。
西 和夫(にし かずお)
1938年、東京都生まれ。元神奈川大学名誉教授、日本建築史学会元会長。2015年1月没。著書に『近世の数寄空間』、『三溪園の建築と原三溪』ほか。
日向 進(ひゅうが すすむ)
1947年、京都府生まれ。京都工芸繊維大学名誉教授。著書に『窓のはなし』、『近世京都の町・町家・町家大工』、『茶室に学ぶ 日本建築の粋』ほか。



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