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京都発大龍堂通信:メールマガジン通巻8619号 2011年10月5日

『文化財の保存環境』

編:東京文化財研究所
発行:中央公論美術出版社
定価:1,995円(本体1,900円+税5%)
A5・184p挿図131点(フルカラー)
978-4-8055-0648-6

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博物館法施行規則の改正に伴って平成24年4月より大学における学芸員養成課程に新設される「博物館資料保存論」を受講し、学芸員資格の取得をめざす学生へ、文化財保存に関わる科学的な基礎知識を身につけることを目的とする。
[刊行にあたって]
亀井伸雄(東京文化財研究所長)
現在わが国の博物館、美術館等の数は四千を超える。これら多くの博物館等で文化財が広く公開されることは、わが国のみならず世界の文化の向上に資するところ大であり、大変重要かつ喜ばしいことである。しかし、文化財の公開・活用と維持・保存とを両立するためには、個々の文化財の物的な特性に応じた取り扱いと展示環境や収蔵環境に関する的確な知識が必要とされる。この点で学芸員の果たすべき役割は大きいものがあるが、種々の困難な状況の中で日々苦労されているのが実情と思われる。
こうしたことから、東京文化財研究所では全国の博物館、美術館等で保存を担当している学芸員を対象に、保存科学の基礎と実行上の諸問題についての知識を習得してもらうための研修会を行っている。本研修会は昭和59 年(1984)に始められたもので、これまでに研修修了生は600名以上を数え、修了生の多くは第一線で活躍している。
ところで、近年大学における学芸員の資格認定において、保存科学に関する基礎知識を習得することの重要性が認識されるようになった。そして、平成21 年4月30 日に博物館法施行規則が改正され(平成24 年4月より施行予定)、博物館学に関する科目として新たに博物館資料保存論の2単位が必要科目とされるにいたった。
博物館資料保存論のねらいは、博物館における資料の保存及び展示・収蔵環境を科学的に捉え、資料保存を良好な状態で行っていくための必要な知識を習得することを通じて、資料保存に関する基礎的能力を養うことである。博物館資料の保存環境の内容としては、資料保存の諸条件とその影響(温湿度、光、振動、大気等)、生物被害とIPM(総合的有害生物管理)、災害の防止と対策(火災、地震、水害、盗難等)、伝統的保存方法、収蔵、展示等の保存環境などが含まれている。こうした博物館資料保存論で扱う項目の多くは、現在東京文化財研究所が行っている博物館、美術館等の保存担当学芸員研修の講義内容に含まれている。
そこで、本テキストは、学芸員資格取得をめざす学生にとって副教材になるように、上記の研修内容から保存環境等に関わる部分を抜き出しまとめたものである。本書が、博物館学を専攻する学生はもとより、多くの関係者の方々に利用されると幸甚である。
[目次]
1.総   論
T.はじめに
U.文化財の基礎知識
1.文化財資料/2.文化財の材質
V.文化財保存科学
1.文化財保存の研究/2.文化財劣化の要因と保存対策/3.ファシリティ・レポート
W.文化財の保存に関する倫理
コラム 文化財資料の科学調査
2.温湿度環境
T.温度と湿度の基礎知識
1.温度/2.湿度/3.温度と相対湿度の基準
U.温度と湿度の測定
1.温度と湿度の測定の重要性/2.温湿度測定機器と実用例/3.測定機器の較正
V.温湿度による文化財の劣化と対策
1.温湿度環境が適切でない場合の文化財へ与える影響の例/2.空気調和設備/3.除湿器と加湿器/4.展示ケースと調湿剤/5.保存箱/6.換気
コラム 伝統的な保存方法
3.光と照明
T.光の基礎知識
1.光とは何か/2.白色光と単色光/3.色温度/4.演色性/ 5.光の強度と明るさ/ 6.明るさの指標
U.光の測定
1.光と物質の相互作用/2.波長と劣化リスクの関係/3.文化財の材質と劣化の起こりやすさ/4.赤外線の影響
V.光による文化財の劣化と対策
1.照度基準/2.照度の計測/3.外光について/4.鑑賞性の確保/ 5.収蔵庫における照度
W.展示照明用光源
1.白熱電球(ハロゲンランプ)/2.蛍光灯/3.白色発光ダイオード/4.照明光源の今後
コラム ガラスと光
4.室内空気汚染
T.室内空気汚染の基礎知識
1.汚染物質の種類と発生源、その影響/2.室内空気汚染の進み方
U.室内空気汚染の測定
1.室内空気汚染の推奨値/2.室内空気汚染監視と評価
V.室内空気汚染による文化財の劣化と対策
1.粒子状汚染物質対策/2.ガス状汚染物質対策/3.新築の博物館などでの問題/4.日常的な展示における問題/5.季節的な問題/6.外気からの汚染ガスの侵入/7.換気できない収蔵庫の問題/8.管理薬剤の影響
コラム 現代材料の保存
5.生物被害
T.文化財加害生物の基礎知識
1.屋内環境での注意点/2.博物館などにおける加害生物/3.博物館などでの生物被害対策の考え方
U.害虫・害獣による文化財の劣化と対策
1.IPM(Integrated Pest Management 総合的有害生物管理)/
2.様々な劣化要因のひとつとしての生物被害/
3.生物被害管理プログラムにおける5 段階のコントロール/4.博物館などにおける殺虫処理
V.カビによる文化財の劣化と対策
1.博物館などで見られるカビの特徴/2.カビの生育:水分と栄養分の影響/3.カビによる劣化/4.カビの予防/5.カビへの対処法
コラム 展覧会における加害生物の侵入
6.屋外環境
T.文化財のおかれる環境
U.温度・湿度・水分による影響
1.塩類風化/2.凍結劣化/3.温湿度変化/4.石やレンガ内の水分量
V.太陽光による影響
1.屋外での光の影響/2.彩色の劣化/3.太陽光からの保護
W.大気汚染による影響
1.大気汚染と文化財/2.大気汚染物質/3.大気汚染物質の発生源と特徴/4.大気汚染物質による文化財の劣化と対策/5.大気汚染への対策
X.生物被害による影響
1.屋外環境の生物被害の特徴/2.屋外で文化財を加害する生物種/3.屋外の生物被害対策の基本
Y.屋外環境での対策
コラム 現代美術作品の保存
7.災害・事故
T.火災対策
1.防火/2.燃焼/3.消火/4.被害事例
U.地震対策
1.建物の耐震診断/2.直接的な被害/3.建物内の二次的な被害
V.水害対策
1.水損の起きる機会/2.防災マップの利用/3.川の氾濫による被害事例/4.津波による被害事例/5.水濡れによる影響
W.防犯対策
1.防犯環境の設計
X.輸送と梱包
1.資料の輸送過程と起こりうるリスク/2.衝撃/3.振動/4.温湿度環境/5.事例―高松塚古墳壁
画の仮設修理施設への移動―
コラム 被災時の文化財レスキュー
付 録 文化財保護の歴史



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