HP内の目次へ・検索もできます!  『成功する自転車まちづくり』 -政策と計画のポイント-

7540号      7546号


京都発大龍堂:メールマガジン通巻7545号 2012年2月14日

学芸セミナー@京都 『実践する自転車まちづくり 役立つ具体策』

第2回(平成23年度)日本不動産ジャーナリスト会議賞を決定しました。
受賞理由==選考結果報告(2012年1月5日

『成功する自転車まちづくり』
-政策と計画のポイント-


著:古倉宗治
発行:学芸出版社
定価:2,940円(本体2,800円+税5%)
246p21cm
978-4-7615-2491-3

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家計と健康に優しく、地域活性化・低炭素化に貢献する自転車だが、「歩道上が安全」「利用促進は違法駐輪を増やす」といった固定観念からか、総合性やバランスを欠く施策が多い。そこで世界の最新政策や科学的データにもとづき、自転車のあり方をもう一度基本から見直し、効果的な政策と計画のあり方、成功の秘策を提示する。
[目次]
はじめに
序 章 あのアメリカが自転車利用促進に500億円もつぎ込む理由
急激に拡大する自転車政策/石油輸入・医療費削減をめざす/
 連邦主導でガソリン税を投入
第1章 自転車利用のメリット
1 環境にも家計にもやさしい
自家用車よりも便利で安い/自転車は、移動手段中、車体重量が一番軽い/
 自家用車は環境負荷が大きい/他の交通手段との比較
2 公共交通との役割分担もできる
ヨーロッパにみる自転車と公共交通との関係/自転車との競合ではなく自家用車との
 競合を問題視すべし/自転車のメリットを発揮できる距離/徒歩・自転車の分担のあり方/
 近距離での自転車と他の交通手段との分担/自転車との連携で公共交通の客を増やせる
3 自転車は生活習慣病の予防につながる 
生活習慣病の医療費と死亡原因/生活習慣病に対する自転車活用の効果/
 他の運動と比べた場合の自転車こぎのメリット
4 ライフスタイルも豊かにでき、子供の発達にもよい
5 主体別にみた自転車利用のメリットとその訴え方
主体別・項目別にみた自転車利用のメリット/自転車計画等でのメリットの位置付け方
第2章 自転車の用途別施策
1 促進方策は利用目的別に考えること
自転車の利用目的/利用目的別の施策が必要/自転車の用途別の有効な利用促進施策/
 まず促進したい利用目的と、それに即した方策を考えよ
2 自転車による通勤 〜企業と従業員の経費節減
自転車通勤のメリット/就業者の通勤の実態/企業の自転車通勤に対する態度/
 自転車通勤の有効な促進策/自転車通勤の推進に対する具体的な取り組み
3 自転車による買物 〜自転車客こそ良いお客
買物に行くのは車、自転車、徒歩?/自転車による買物のメリット/「車で来る客こそ良客」
 ではない/自転車による買物の有効な奨励策/自転車による買物の奨励策の方向および
 実例
4 自転車による通学 〜健康と環境教育の切り札
自転車通学の状況/自転車通学のメリット/自転車通学の有効な推進策/
 自転車通学等の推進による子供の環境教育の意義
5 自転車による回遊・レクリエーション 〜地域活性化  
4275kmにおよぶわが国の大規模自転車道/
 自転車による回遊・レクリエーションのメリット/回遊レクリエーション利用の有効な推進策/
 自転車利用の奨励方策の実例
6 その他の自転車利用用途
 日常利用/業務利用
第3章 自転車の空間別施策
1 専用空間の確保のみにこだわっている日本の取り組み  
自転車専用空間の確保がベター/歩行者にも自転車にも危ない歩道通行/
 世界の自転車先進国は車と自転車の共用空間が主流/ネットワークの重要性
2 自転車と車の共用空間への施策  
車との共用空間はそれほど危険か/車道に自転車の走行空間は十分にある
3 自転車専用走行空間確保への施策  
専用空間を確保する方策/自転車専用レーン(自転車専用通行帯)が切り札
4 自転車の駐輪空間  
自転車利用を促進する駐輪場/駅前の需要と供給の総合バランスのとり方/
 駐輪空間の提供責任は誰にあるか/総合的な駐輪空間の需給の取り方〜
 自治体の負担軽減
5 所有自転車およびレンタサイクル  
日本は自転車使い捨ての時代/レンタサイクルの導入は利用者の意向をよく把握して/
 大きなメリットを持つコミュニティサイクル〜利用用途と利用範囲のコンセプトを明確に/
 企業向けのレンタサイクルの可能性〜ちがさき方式レンタサイクル
6 自転車の走行空間の情報提供の方法  
自転車地図の現状/地図による安全性の情報提供/地図とセットでの自転車マニュアル
 の提供/安全性の自己チェックの方法
第4章 自転車の課題別施策
1 自転車の放置の課題 〜駅前駐輪需要の軽減施策
自転車放置とその対策の状況/自転車利用促進を柱とした駅前自転車放置対策
2 自転車の安全の課題 〜安全性の向上施策
自転車利用が増えたら事故率は減る/自転車利用促進に参入後は事故が減っている
3 ルール・マナーの課題 〜レベルアップのための施策  
自転車利用促進とルール、マナー/自転車がルール、マナーを守れるような環境整備/
 原則の車道通行によるルール、マナーの実際的な体得/即効性のある対策
4 その他の課題
雨に弱いという課題〜雨に強くなる対策/自転車の盗難に関する課題〜
 盗難防止の対策
第5章 わが国の自転車政策および自転車計画とその策定の方法
1 進んでいる世界の自転車政策と日本への応用の可能性〜
 アメリカ、オランダ、ドイツなど先進国の自転車政策の推移/
 国が策定を進めている自転車計画/先進国の自転車政策や自転車計画から学ぶ三つ
 の重要な点
2 わが国のこれまでの自転車政策  
わが国のまちづくりの変遷と自転車/まだまだ拡大の余地があるわが国の自転車利用/
 わが国の自転車政策の推移/自転車専用空間の整備を進める通行環境整備モデル
 地区(2008)
3 自治体の自転車施策の状況と自転車計画の課題  
アンケートにみる自治体の施策の状況/国の自転車政策・自転車計画の課題〜
 「自転車先進都市」(2001〜2004)/わが国の自転車計画の問題点のまとめ
4 自転車計画のあるべき姿  
わが国の取り組むべき項目/目標設定/目標達成のための計画・施策の組み立て方/
 国と地方との役割分担/交通基本法のあり方
終 章 今後の自転車政策の方向
自転車活用型まちづくりの意味/わが国の自転車政策のあるべき方向性/
 コペンハーゲンの自転車政策のスタンス〜自転車道の雪かきを優先
注・参考文献
索引
おわりに
【著作賞】
(1)『成功する自転車まちづくり〜政策と計画のポイント』
   受賞著者=古倉 宗治・(株)住信基礎研究所研究理事
これまでの多くの自冶体の自転車政策は、違法駐輪対策、駐輪場整備など個別の問題への対応が中心となっており、自転車の果たすべき役割を本当に評価したうえでの、効果的な政策はとられてこなかった。このような認識の下、著者は、自転車先進国の最新政策や科学的データを駆使しながら、自転車の役割をもう一度、根本から理論的に見直すべきことを主張する。その上、今後の自転車政策の方向は、公共交通の代替、環境負荷の低減、健康増進などを総合的に盛り込んだ「自転車活用型まちづくり」であることを、本著で力説するとともに、その成功のためのカギも提案している。

本著は、これまでになかった独創的な視点と着想から、自転車政策の新たな方向性を示しており、地球環境問題への対応、コンパクトシティの形成など、今後の都市政策のあり方に関する議論に一石を投ずる意欲的で、創造性に富んだ優れた著作である。
(学芸出版社、2010年10月出版)



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