HP内の目次へ・検索もできます! 『對龍山荘』-植治と島藤に技-

4815号      4820.号


京都発大龍堂:メールマガジン通巻4817号

2007年5月下旬刊行予定!! ご予約を


『對龍山荘』
-植治と島藤に技-


編集・発行:淡交社
定価:42,000円(本体40,000円+税5%)
B4・226p
カラー184p/モノクロ42p
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京都・南禅寺畔に建つ對龍山荘の庭園は、。植治こと七代目小川治兵衛の傑作中の傑作として高い評価を得ていますが、またその建築群も、数奇屋棟梁・島藤こと島田藤吉の名作として知られています。
本書では、定評ある田畑みなお氏のカメラで四季折々の庭園美を紹介するだけでなく、石の使い方、流れ、池の工法、また書院・茶室の細部までを微細に追います。
<本書の構成>
對龍山荘─植治と島藤の技─ 尼崎博正
 伊集院兼常時代から現代までの歩みと、その魅力
カラー 對龍山荘の庭園と建築 田畑みなお
 四季折々の庭園の美しさと建築細部までを存分に。
 全てこの二年間ほどで撮られた新規撮影・未発表写真。
論考 對龍山荘の庭園 尼崎博
 植治があらゆる技を駆使した庭。
 琵琶湖疎水と對龍山荘の流れ。
論考 對龍山荘の建築
 名工・島田藤吉の貴重な遺構。對龍台・聚遠亭の意匠。
東は瑞龍山羊角嶺を望み、南は金地院老樹の間に東照宮の祠宇隠見し、北は並松の間に如意比叡を見るへし」(谷鉄臣)、─瑞龍山(南禅寺の山号)と対峠する場所に位置することから名付けられた名勝「對龍山荘」。この三千坪もの広大な敷地を持つ数寄屋造の邸宅は、築造から八十年余りの歳月を経た現在も、風光明媚な南禅寺の地にひつそりと佇み、その伝統を今に伝えている。
この地に最初に邸宅を築いたのは、建築技術にも深く造詣があった実業家・伊集院兼常である。その後、明治三十四年には市田弥一郎が引継ぎ、聚遠亭や茶室の周辺などに伊集院の遺構を残しながら、自らの理想である別邸作りを計画し、それを二人の名匠に託したのである。
ひとりは、造園に新境地を開いた、植治こと七代目小川治兵衛。この對龍山荘には、庭園と建築に有機的な関係性を持たせることによって人の心までも揺り動かす、植治の空間構成が存分に発揮されている。田園や山里の風景を思わせる卓越した作庭技術。對龍台の縁下に設えられた滝壷。主室の對龍台に坐すと、ごうごうたる爆音に包まれ、あたかも対岸に見える大滝から聞こえてくるかのような錯覚を覚える。また、琵琶湖疏水の水を活用した躍動的な流れのデザイン、開放的な露地空間、なかに入ると迷い込んだような錯覚におちいる鬱蒼とした杉木立など、細部にまで至る植治の世界観には圧倒される。従来の「歌枕の庭園化」を身近な田園や山里の風景を原寸で庭園に表現しようとした植治の真髄が、この對龍山荘の庭園に見ることができる。
今ひとりは、東京にその人ありといわれた、島藤こと数寄屋棟梁・島田藤吉。藤吉の誠心誠意の仕事ぶりに惚れ込んでいた市田弥一郎は、對龍山荘の建築を藤吉の手に委ねた。藤吉も市田の期待に応え、見るものを圧倒する会心の作に仕上げた。広大な敷地の西寄りに建つ主屋。橋本雅邦描く杉戸を見ながら對龍台に通ると、堂々とした床構え。大滝を望む縁の高欄にも藤吉の精魂は込められており、特に笠木に取り付けられた飾り金具は手の込んだ逸品である。また、聚遠亭や茶室の細部に見られる精緻な技。さらに居間棟には、眼下に庭園をながめる風流な円窓や、一木から作り出した見事な手摺があり、藤吉の技術の確かさが随所にあらわれている。
庭園と建築との絶妙な融合、それが「對龍山荘」である。そこには、近代という躍動的な時代の精神と感性、作者の美意識と燃えたぎる情念、時の経過のなかで不断に注ぎ込まれ続けてきた数多の創意工夫が顕現している。本書では、八十年余りの歳月を経てもなお、色褪せることなく輝きつづけるこの総合芸術「對龍山荘」の全てを収録。植治と島藤の鼓動を伝える。



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