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講談社現代新書1867
『現代建築に関する16章
空間、時間、そして世界』
著:五十嵐太郎
発行:講談社
定価:777円(本体740円+税5%)
978-4-06-149867-9
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時代と建築家の試みを読み解く斬新な視点を提示建築があるスケールを超えて巨大化していくと、もはや古い建築のモラルはふっとんでしまう……もちろん、内部と外部を一致させるような近代建築の倫理観もふっとぶ。巨大化すると、外部は制御不能。ファサードという概念が無効になるのです。資本主義のロジックでドライブさせると、建築は巨大な空間を志向し、ひたすら内部に向かう。外観のデザインを整えるというのは、古典的な美学にもとづく建築家の仕事として歴史的につづいていました。しかし、それは巨大資本主義の建築にとって、なんの効力ももたない。……もはやそんなことはどうでもよくなって、別の次元に突入するのです。――<本文より> |
<目次>
第1部 かたちと環境をめぐって
第1章 形態と機能――装飾された小屋あるいは原っぱ
第2章 バロック――楕円と装飾
第3章 斜線とスロープ――運動そしてランドスケープ
第4章 全体/部分――ブリコラージュとパタン・ランゲージ、伽藍とバザール
第5章 レム・コールハース――マンハッタニズム、ビッグネス、ジャンク・スペース
第2部 住むこと、そして日本という空間
第6章 住宅建築――無意識の深層へ
第7章 身体――柱からモビルスーツへ
第8章 日本的なるもの――タウト、縄文、弥生
第9章 戦争の影――廃墟のイメージ、メタボリズムと人工地盤
第10章 スーパーフラット――差異なき表層の世界
第3部 建築はどこへゆくのか
第11章 歴史と記憶――モダニズム、リバイバル、保存
第12章 場所と景観――地域主義、ゲニウス・ロキ、ダーティー・リアリズム
第13章 ビルディングタイプ――監獄とコンビニ
第14章 情報――「見えない都市」の交通
第15章 メディア――雑誌、写真、模型
第16章 透明性と映像性――モニタとしての建築 |
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