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2005年11月中旬 発売予定 |

《総覧 登録有形文化財建造物5000》
編著:文化庁文化財部
発行:海路書院
定価:8,190円(7,800円+税5%)
A4・370pカラー刷り
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<主要目次>
口絵(種類別の代表例)
第1章 文化財建造物の登録 その成果と課題
1−1文化財建造物の保護と登録制度
1−2 登録有形文化財建造物の軌跡と展望
第2章 登録有形文化財建造物の保存と活用
2−1保存と活用の考え方
2−2保存と活用の主な事例 各地の様々な取り組み
第3章 各地の登録有形文化財建造物
(都道府県別の代表例504例)
第4章 登録有形文化財 建造物一覧
(都道府県市町村別5000余件の全リスト)
附章 関係法令、各種資料 |
<発刊に当たって>
登録有形文化財建造物は平成8年に第1回目の登録がされて以来9年を経過しようとする本年9月、文化審議会において第48回目の登録答申があり、総数は5千件を越えることになりました。これを記念して、この度「総覧
登録有形文化財建造物5000」を刊行することとしました。
登録制度発足当初、毎年約500件の建造物の登録を目指し、所有者の方々はもちろん都道府県や市町村の協力により登録が進められてきましたが、近年このペースを超える勢いで登録物件の数が増加しています。これも、登録制度の内容が多くの方々に周知され、認められてきた結果であると思われます。これからも多くの登録有形文化財建造物が誕生し、まちづくりや観光への活用等に有効に使われ、地域の活性化等に役に立てられる事が期待されます。
本書の内容は、登録制度について説明し、これまでの運用の成果と課題、各地の登録物件活用の取り組み、主な登録物件についてカラー写真を使って説明し、総覧としてこれまでの登録物件の一覧(名称、建築年代、所在地等)、関係法令や各種データを載せたものとなっています。これまで、このような登録有形文化財建造物の全容を網羅した書籍は刊行されたことがなく、本書によって登録物件の内容や位置などが各都道府県別、市町村別に確認でき、関係者の必携の書として必ず役立つと確信しています。 |
<推薦のことば>
■鈴木博之(東京大学工学部教授)
平成8年6月の文化財保護法改正によって登録有形文化財の制度が生まれて以来今年ですでに登録件数が5000件を越えた。これは考えてみれば凄いことで、平均すれば各県100以上の登録文化財をもったことになったのだ。
登録有形文化財は、これまでの国宝や重要文化財よりもいっそう幅広く、和風の住宅、旅館やホテル、さまざまな工場、商店、土木施設、オフィスビルなどまで含んでリストアップされている。身近な文化財も多いし、思わぬ発見にも満ちた、歴史と文化の宝庫なのである。これらを訪ねれば、わが国の生活と国土形成の歴史が具体的に見えてくる。しかし5000を超える文化財ともなると、どこに何があるのか分かりにくくなってくる。今回の出版が登録有形文化財の全貌を明らかにしてくれることはありがたい。美しい写真を手がかりに、詳細なリストを手引きとして、この宝庫を訪ね歩きたいと思う。広く、多くの方々にもお勧めする次第である。
■村上」一(文化財建造物保存技術協会常務理事)
平成8年の文化財保護法の改正により、登録文化財制度が新設されてから10年を迎えるこの時期に「総覧登録有形文化財建築物5000」が刊行されることになりましたした。これまで登録された近代の遺産を中心に5千件余の有形文化財建造物が総覧として収録されています。
近代の文化遺産は多種多様であり文化財としての価値が定まっていないものも多く、これらを保存するためには、対象を厳選して重要なものを強い規制により保存するといったこれまでの重要文化財指定制度では不十分であり、所有者の自主的保存を主体とした登録制度が導入されました。社寺が中心であったこれまでの文化財と違って旅館や商店、銭湯、オフィスビル、駅舎、それから鉄橋、トンネル、水道の配水塔等など町々で見かける馴染みの深いものが、登録されています。これらは町の景観を際だたせるものであり、日本の近代化をとらえるために重要なものであります。
全国各地には未登録の建造物がまだまだ多く残されており、登録件数もこれから益々増えていくことと思います。地域の歴史や文化を理解し、身近な文化財を守ることの重要性を再認識するための必携の書であり行政担当者は勿論、市民や学生が文化財への認識を高めるために図書館や学校で是非備えて欲しいと思い、ここに推薦致します。 |
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