HP内の目次へ・検索もできます! 京都紫野・鷹ヶ峰の地域文化学_佛教大学・紫野校地学術調査報告書_ はじめに ─紫鷹学の提唱─

2998号      2996号
2993号      2995号



京都発大龍堂:通巻2994号

「心学のすすめ」
建築を設計する基本姿勢は心学─工学+地学・文化学(地域共存・共生、風土的歴史・歴史的風土、環境、文化など)といっても過言ではないと思う。建築物は地域というキャンパス(風土)との一体性が非常に大切なことだと思う。
そういう意味で、この書籍はこれからの建築の分野に取り入れなければならない思想を提示している。これは21世紀に生きる私たちの新しい第三の道である。ぜひ植村ワールドを習得してほしいものである。嬉しくも、書籍代は無料である。(yy)

《京都紫野・鷹ヶ峰の地域文化学》
_佛教大学・紫野校地学術調査報告書_

編集:佛教大学校地調査委員会
発行:佛教大学・施設管理課

定価:無料

<申込方法>
住所・氏名を記入し500円分切手同封して
郵送してください。
一冊送付いたします。
(配付部数がなくなり次第終了とさせていただきます)

送り先:
〒603-8301
京都市北区紫野北花ノ坊町96
「佛教大学教務課リエゾン担当」まで
佛教大学は、このたび、紫野・鷹ヶ峰地域の地域文化の特性を探る調査報告書『京都紫野・鷹ヶ峰の地域文化学』(カラー口絵22頁・本文109頁)を刊行しました。文学部の専任、非常勤教員が地域を綿密に調査した成果をまとめました。考古学の時代から中世、近世にかけての歴史的な歩み、産業化とくらしの変化など社会的な歩みを辿っています。カラー口絵では昭和2年の航空写真(京都市初)や未公開の洛中洛外図(数点)を所収。地方史や郷土史の資料としても面白いと思います。 一般の方にも配布いたします。ご希望の方は、上記の通りお申込ください。
<目次・執筆者>
T 紫野校地の位置と地理・歴史環境 植村善博(文学部教授)
U 考古学から見た鷹ヶ峰 門田誠一(文学部助教授)
V 長坂街道と鷹ヶ峰―中世の道 福島克彦(大山崎町歴史資料館学芸員)
W 土城としての御土居―土築構造と立地についての基礎的予察 門田誠一
X 御土居堀とその歴史 中村武生(本学非常勤講師)
Y 絵図からみた紫野・蓮台野・鷹ヶ峰の歴史景観 渡邊秀一(文学部助教授)
Z 鷹ヶ峰地域の空間変容―産業と都市化― 植村善博
[ 民俗学からみた鷹峰の暮らしとその特質 政岡伸洋(四国学院大学助教授)
\ 鷹ヶ峰台地の形成過程と地殻変動 植村善博
] 紫野校地とその周辺100年の変貌―地形図の比較による景観分析―植村善博
はじめに ─紫鷹学の提唱─

彿教大学が京都市左京区鹿ヶ谷から現在の紫野校地に移転してきたのは昭和9年である。
それから今日まで約70年の歳月が経過した。当初、狭い敷地から出発し、徐々に用地を取得し続けた結果、いまでは多くの建物が林立する壮大キャンパス景観が形成されるまでになっている。この間の“専門学校・大学のあゆみ”についてすでに6冊の学史が刊行されている。しかし、紫野校地およびそれをとりまく周辺地域に関する研究報告が公表されたことはない。大学がその位置する地域に目を向け,地域の人々と連携して進むべき時代において、大学校地と周辺地域の地理・歴史環境や地域的文化資源を明らかにして評価すること、その研究成果を地域に還元・発信することは大切な責務であるといえよう。

 2001年12月4日の校地調査委員会において、調査の実施と報告書作成に関する決定がなされた。これは11号館完成を契機に,8号館の建設以降に実施された文化財調査の結果を整理するとともに,大学の位置する紫野および鷹ヶ峰に関する地域総合調査を実施する気運が高まったことを意味する。そこで、以下のような方針のもとに調査体制を組織することになった。
1.調査領域は地理学,民俗学、考古学、日本史学を中心とする地域文化学的分野をカバーする。
2.調査地域は紫野校地の位置する京都市北区紫野および鷹ヶ峰地区を中心とする。
3.調査方法は文献研究に偏向せず,フィールドスタディを中心とした地域密着型調査を実施する。
4.調査・執筆担当は佛教大学史学科(現人文学科)地域文化コースの専任教員と非常勤講師などとし,本地域における調査経験を有する研究者に依頼する。

 調査期間は2002年4月から2003年3月とし,2003年度内に編集および出版のスケジュールをたてた。この間,3回の研究報告会を開いて研究状況と成果および情報を交流し、本地域の特性について専門的な立場から活発な討議をおこなった。そして2002年4月以来の地域調査の結果をまとめたものが本書である。

 私たちは 紫野・鷹ヶ峰地区の地域的特色を最も顕著に形成している環境要素として次の点が重要であるという結論に達した。
1.京都市市街地の北郊の位置 2.傾斜度の大きい乏水性の台地地形 3.旧若狭街道と京都との結節地点 本書の中からこうしたエスプリとその論拠を読み取っていただければ幸いである。この調査はこれで完結したものではなく,読者諸賢のご批判・ご教示をいただき、今後もさらに研究を継続しなければならないと考えている。その目標は紫野・鷹ヶ峰地区の地域学を構築することである。これを紫鷹学(しおうがく)と呼ぶことができよう。

 本書は佛教大学にとって、紫野・鷹ヶ峰地域に関する最初の地域文化的モノグラフであり,その意義は大きいと考えられる。また,文学部人文学科地域文化コース創成の記念碑でもある。地域と共存・共生していかねばならない私達にとってこの報告書は紫鷹学事始めにすぎない。そして今後は,風土性・地域性の解明のみならず,普遍的・世界的視野からの位置づけも重要な課題となろう。

 最後に,日常の多忙な時間をさいて調査および執筆に情熱をもって取り組んでくださった先生方,調査の実施および報告書作成にあたって援助いただいた彿教大学当局、とくに総務部総務課および管理課に厚く御礼申し上げます。

 本書が今後の校地整備計画や研究教育に際して地域情報の源泉として,また紫野・鷹ヶ峰地区住民ならびに京都市民,行政当局によって地域理解・地域活性化のために活用されんことを切望する。
2004年1月
彿教大学校地(文化財等)調査委員会
植村善博



TAIRYUDO SHOTEN Co.,Ltd  TEL:075-231-3036 FAX:075-231-2533