デ・キリコ展〜終わりなき記憶の旅〜


京都発大龍堂:メール マガジン通巻 472号

     
 




GIORGIO de CHIRICO
  ≪デ・キリコ展≫
 〜終わりなき記憶の旅〜

日時:2001年9月1日(土)〜10月2日(火)
場所:美術館「えき」KYOTO
お問合せ:TEL075-352-1111
(京都駅ヒル内 ジェイアール京都伊勢丹7階隣接)
開館時間:10:00〜19:30(最終日=17:00閉館)
入館縮締:
閉館9月4日(火)午後6:30、10/2(火)午後5:00
入館料[税込]:一般1000円(800円)
高-大学生800円(600円)
小中学生600円(400円)
※()内はご優待券
対象:アイカードJR西日本グループ
会社力ードをお待ちの方
前売及び10名様以上の団体
※第2、4土曜日(9/8、22)は小中学生無料
主催:美術館「えき」kyoto、日本経済新聞社
後援:イタリア大使館、日本におけるイタリア2001年財団
協賛:協和発酵、協力:日本航空
謎の画家の謎の生涯。「どこかで見た風景、だがそれがどこなのか分からない。どこかで見た物、だがそれが何なのか分からない」。ジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)の絵画は、私たちを困惑させ、なた、不思議な力で惹きつける。この不思議な絵画同様に彼の生涯もまた謎に満ちている。
ギリシアの町ヴォロス生まれのイタリア人。鉄道敷設技師の父の没後、アテネ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ミラノ、ミュンヘン、トリノ、パリ、ローマを転々とする青春時代を過ごすうちに、ある「イタリアの都市の美しい秋の午後の憂愁」のなかで、突然啓示を受けて、1910年代の、あの不思議な広場と彫刻と高い搭のある風景を生みだす。彼はこれを「形而上絵画」と呼んだが、ほんの20代の、驚くべき天才のの出現としてヨーロッパの美術界に衝撃を与えたこの絵画を、1920年代にはあっさりと放棄したかのごとく、ティツィアーノ、ラファエルロ、ルーベンス、ルノワール風に描き始める。と思えばまた「新形而上絵画」と称して、自分の放棄した1910年代の摸倣作品を制作する。少なくとも外側から見ると、彼の生涯と作品とは不可解な変転の連続だった。だが、私たちはなぜか惹きつけられる。ここにおそらくこの画家の真実がある。変転の生涯の作品約100点の回顧的展示。[木島俊介(美術評論家)]