真に生けるが如くよくできしなり 特別展《生人形と松本喜三郎》

2577号      2590号


京都発大龍堂:通巻2585号


真に生けるが如くよくできしなり
特別展
《生人形と松本喜三郎》
_「見世物の誇りにかけて、幕末明治の大阪を、
  日本を、世界を、驚愕させた生人形師がいた」_

日時:2004年8月25日(水)〜10月4日(月)
9:30〜17:00(金曜日は20:00)
(入館は閉館の30分前まで)
休館日:毎週火曜日
場所:大阪歴史博物館
観覧料:
大人1,000円(940円)
高大生670円(630円)
※中学生以下、
大阪市内在住の65歳以上の方、
障害者手帳などをお持ちの方
(介護者1名を含む)は無料
※( )内は20名以上の団体割引料金

主催:大阪歴史博物館・熊本市現代美術館
後援:NHK大阪放送局
協賛:JAL日本航空
協力:松本喜三郎顕彰会、浄国寺、来迎院
生人形は、幕末から明治にかけて、大阪の難波新地(現在の中央区千日前周辺)や江戸(東京)の浅草などの見世物興行に出された細工物のひとつで、まるで生きているかのような人形です。生人形師たちは、人間の動きや表情をさまざまな主題にのせて迫真の写実性をもって再現し、生人形は激動の時代を生きる市井の人々の感情や欲望を反映、表現してきました。
この展覧会では、天才生人形師とうたわれる松本喜三郎の作品を軸に、彼と競い合った安本亀八、さらには二人の後に続いた優れた生人形師たちの国内・海外に残された作品や関連資料を通じて、見世物であるが故に近代の歴史のなかに忘れ去られていった生人形の諸相を紹介します。また、この展覧会は、希代の名工・松本喜三郎の作品が一堂に会する初の展覧会となります。
熊本出身の松本喜三郎 (1825〜1891) は、嘉永7年 (1854) に大坂の難波新地で初めて「生人形」を掲げる人形師としてデビューし、その後、江戸浅草でも人気を博して出世街道を走ります。彼の一世一代の大作「西国三十三所観音霊験記」(33場74体の人形)は大評判で、浅草で4年のロングラン興行、大阪では明治12年 (1879) に千日前で興行され、3ヵ月で約60万人の人々が見物したといいます。民衆に受け入れられた生人形は、喜三郎の出発点が出身地・熊本の地蔵祭りに出される造り物であったように、あくまで土着の造り物に始まる職人芸術であり、仏教彫刻の伝統や、西洋芸術の美意識や技法に立脚するものではありませんでした。一方で、生人形はその技術の高さを買われて、甲冑類のマネキンや、人間の代わりとなる人類学資料(標本)として海外に持ち出され、博覧会などにも登場し、全盛時にはさまざまな展開をみせます。しかし、大衆の関心は移ろい、流行の変化とともに、明治の後半以降、生人形は忘れ去られ、一部を残して歴史の表舞台から姿を消していきました。
本展は、彫刻とも人形とも言い切れない「生人形」が発する民衆の魂の叫びに耳を傾けつつ、ヨーロッパやアメリカとの交流の視点を交えて、明治以降に生まれた「美術」という概念から排除された「生人形」を文化史的に位置づけていこうとするものです。展示予定資料数 約200点
<生人形講演会>
日時:平成16年8月28日(土)午後2時〜午後3時30分
演題:「松本喜三郎の生涯―大阪を中心に―」
講師:土居郁雄氏(国立文楽劇場)

日時:平成16年9月11日(土)午後2時〜午後3時30分
演題:「大坂の見世物とつくりもの文化」
講師:木下直之氏(東京大学教授)
<展示解説>
日時:平成16年9月4日(土)午後3時から45分程度
日時:平成16年9月18日(土)午後3時から45分程度
解説者:当館学芸員



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