特別陳列 お水取り

2165号      2170号


京都発大龍堂:通巻2167号

特別陳列《お水取り》

 
          類秘抄(十一面巻)当館              香水杓 東大寺
日時:2004年2月17日(火)〜3月21日(日)
   9:30分〜17:00(入館16:30)
   3月12日(金)は19時まで開館いたします。
   休館日:毎週月曜日
   但、3月1日(月)・8日(月)は開館
観覧料:一般420円(210円)高校・大学生130円(70円)
    小・中学生は無料( )内は20名以上の団体料金
主催:奈良国立博物館
後援:読売新聞大阪本社
協力:東大寺
「お水取り」は、奈良・東大寺の二月堂でおこなわれる仏教行事です。行事のなかに、井戸(若狭井)から水を汲んで本尊にお供えするという次第があることから「お水取り」と呼ばれますが、仏事としての正確な名称は「修二会」です。旧暦の2月1日〜14日に執りおこなわれたので、その名があります。
現在は3月1日から14日にかけておこなわれ、数多くの参詣者を集めています。参詣者にとってのクライマックスは、二月堂の欄干で振られる大きな松明です。この松明は本来、参籠する僧が宿所から二月堂へと上堂する際に足元を照らす灯りなのですが、これが欄干で振られると大きな火の粉が空中に飛び散り、その瞬間、寒空のもと屋外で参拝する人々の歓声がどっと上がります。しかし、仏事としての「修二会」行法の目的は、火の粉を散らすことでも水を汲むことでもなく、仏の前に自らの罪過を懺悔すること(悔過)です。二月堂の本尊は十一面観音菩薩で、修二会においておこなわれる行法は「十一面悔過」です。現在、二月堂の内陣には大観音・小観音と呼ばれる大小二体の十一面観音像が、それぞれ厨子に収められ安置されています。2体の観音像はいつの時代からか秘仏とされ、参籠する僧たちであっても拝することはできません。私たちは12世紀にこの小観音像を見た人物が描いた画像によって、その姿を想像するしかありません。
ところで、この修二会が持つ最大の歴史的意義は、天平勝宝4年(752)に創始されて以来、一度も絶えることなく「不退の行法」として実施され続けているという点にあるでしょう。『東大寺要録』には、東大寺の初代別当良弁の弟子である実忠和尚が初めて十一面悔過を執行したことが記され、二月堂自体も彼の創建になると伝えられています。
さて、当館では東大寺で修二会がおこなわれるこの時期に合わせ、「お水取り」展を企画いたしました。今回は特に礼堂でおこなわれる作法に注目し、声明にかかわる資料を軸に展示を構成します。どのような空気の中で行法がおこなわれるのか、皆様にそれを体験していただきたいと考えています。[奈良国立博物館]
<ギャラリートーク>
日時:平成16年3月10日(水)14:00〜
場所:展示室
演題:「お水取りと若狭井」
講師:野尻忠(当館研究員)

[資料提供:奈良国立博物館]