《神坂雪佳》_琳派の継承・近代デザインの先駆者_

1736号      1740号


京都発大龍堂:通巻1738号

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《神坂雪佳》
_琳派の継承・近代デザインの先駆者_

日時:
平成15年8月30日(土)〜10月13日(月・祝)
平日  9:30〜17:00(入館16:30)   
金曜日:9:30〜20:00(入館19:30)
休館日:毎週月曜日
(ただし、9/15(月・祝)・10/13(月・祝)は開館、9/16(火)は休館)

場所:
京都国立近代美術館(岡崎公園内)
〒606-8344
TEL:075-761-4111

観覧料:一般1200円(900円)
大学生800円(500円)
高校生600円(300円)
中小生:無料

主催:京都国立近代美術館、
バーミングハム美術館、朝日新聞社
後援:文化庁、アメリカ合衆国総領事館、
NHK京都放送局
明治維新後の京都は、東京への遷都によって大きな打撃を受け、美術界は危機的状況のただ中にありました。京都再興の一環として、京都府・京都市はいち早く西洋の先進技術・科学の導入に努め、明治13年に日本最初の美術学校として京都府画学校が設立され、絵画における伝統の継承と改良、工芸への寄与の動きが起こります。しかし工部美術学校、東京美術学校を中心に絵画・彫刻の近代化に重きがおかれた東京と異なり、京都では、京都市立美術工芸学校や京都高等工芸学校、さらには京都市立陶磁器試験場が設立され、工芸における近代化も重視されました。当時の代表的画家である竹内栖鳳や山元春挙、上村松園らも、着物や綴織の図案、陶磁器の絵付け、家具のデザインなどを手がけており、絵画界と工芸界は常に密接な関係を持っていたのです。
そのような京都の近代美術界で、絵画工芸両分野にわたり活躍したのが神坂雪佳(慶応2〜昭和17/1866〜1942)でした。雪佳は最初、四条派の流れを汲む日本画家鈴木瑞彦に師事し、次いで図案家岸光景のもとで琳派研究を行い、画家・図案家として活動を始めます。明治34年にグラスゴー博覧会視察および欧州各国の工芸図案調査のため渡欧した後、京都市立美術工芸学校で教鞭を執り、その傍ら数多くの図案集や雑誌の執筆・編集に携わり、新しいデザインの普及に努めています。明治42年には美術工芸の研究会佳美会(後、佳都美会・佳都美村・京都美術工芸会・京都美工院と改称)を設立して、工芸家たちとともに産業化・近代化の進んだ時代に合致する新たなエ芸作品の創案に努め、主催展覧会などでその成果を発表し、当時の工芸界に大きな影響を与えました。また一方で雪佳は、琳派に根差した数多くの絵画作品をのこしていますが、それらは展覧会場で鑑賞されるだけではなく、あくまでも日常生活の中にあるべきものとして制作されています。そして雪佳の作品は、戦後とりわけアメリカで高い評価を受け、数多くの優品が現在海外の美術館・個人の所蔵となっています。
本展覧会は、日米の美術館が協力し、日本国内および海外に所蔵されている代表作を一堂に集めて開催される、神坂雪佳の初めての大規模な回顧展です。
展覧会は主題別に、「1.四季の愉しみ」「2.自然の愉しみ」「3.生きる愉しみ」「4.色紙の愉しみ」「5.共作の愉しみ」の5章からなり、絵画・陶磁器・漆器・染織・版画・図案・資料を含む約300点で構成されます。デザイナー、プロデューサー、コーディネーターといった様々な顔を持ち、伝統を受け継ぎながら近代的なデザインの先駆者としてジャンル横断的な活動を繰り広げた神坂雪佳を再評価することを目的とした本展が、今日とみにジャンルのボーダーレス化が進むアート・シーンに新たな視点を提供し、芸術と私たちの生活との関わりを再考する機会となるものと期待します。

<記念講演会>

〔第1回〕平成15年8月31日(日)午後1時30分〜3時
     講師:ドナルド・A・ウッド(バーミングハム美術館学芸課長)※通訳あり
     演題:「神坂雪佳の国際的評価について」

〔第2回〕平成15年9月13日(土)午後1時30分〜3時
     講師:榊原吉郎(京都市立芸術大学名誉教授)
     演題:「琳派と雪佳について」

〔第3回〕平成15年9月27日(土)午後1時30分〜3時
     講師:佐藤敬二(京都市産業芸術研究所研究部長)
     演題:「雪佳と近代の京漆器について」
会場:京都国立近代美術館 1階講堂
聴講:無料
定員:先着100名
  ※当日午後12時30分より美術館エントランスにて整理券を配布します。