佐野正一《建築家三代》_安井建築設計事務所 継承と発展_

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京都発大龍堂:メール マガジン通巻1405号


佐野正一《建築家三代》
_安井建築設計事務所 継承と発展_

著者:佐野正一
定価:本体価格2,850円+税
発行:日刊建設工業新聞社
発売:相模書房
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本書を推薦します藤森照信(東京大学教授)
三代持続をなしとげだ佐野正一の自伝
東京は赤坂にサントリーホールがたっている。森ビルのオフィスや全日空ホテルと一緒の再開発で作られているからやや見分けにくいけれど、その気で眺めれば二つの点で並の建築ではないことがわかる。まず気づかれるのは、といっても真正面からだとむずかしいのだが、裏回りして近づくと、屋上庭園になっている。おそらく、日本で一番本格的なものと評していいだろう。中の見所は、まずなんといっても、前庭からエントランスホール、そして客席までの平面の構成で、これほど出入りにおいてスムーズに人が流れ、かつ休憩時に気分よく溜れるホールも少ないだろう。もちろん客席における音の響きのよさは、言うまでもなく世界屈指。音楽ホール建築というより巨大な楽器と呼んだほうがいいようなこの建築を作ったのが佐野正一の率いる安井建築設計事務所なのである。
安井事務所は名のとおり、大正・昭和戦前を代表する建築家安井武雄によって大正十三年、大阪に創設され、御堂筋のガスビルはじめ幾多の名ビル、名建築を残し、さらに戦後は後継者の佐野正一に引き継がれ、現在は佐野吉彦がリーダーシップをとる。
大正、昭和、平成の三代にわたり、大阪に本拠を置いて全国的に活躍して今にいたる三代の建築家。有為転変の激しい建築界ではきわめて珍しい持続力といえよう。この二種類の三代持続を可能としたのは、大正と平成、初代と三代の間に位置した佐野正一の力にちがいない。
この一冊は、その佐野正一の生い立ちから現在にいたる自伝ともいうべき内容を持つ。
第1章 建築主 佐治敬三と建築家佐野正一
    サントリーのウイスキー工場、サントリーホール誕生
    対談「カラヤンとの出会いからサントリーホール誕生まで」真鍋圭子・佐野正一
第2章 二代 佐野正一の建築遍歴
    対談「東京国立博物館平成館」関野 克・佐野正一
    佐野正一の建築デザイン 石田潤一郎
第3章 初代 安井武雄の苦闘
    安井三代の建築理念・継承と展開 山口 廣
終 章 三代 佐野吉彦の継承するもの