進化する建築保全

1004号      1008号


京都発大龍堂:メール マガジン通巻1006号

《進化する建築保全》
_LCCからFMまで_ 

編著:巽和夫、柏原士郎、古阪秀三
発行:学芸出版社
定価:本体2500円+税
21cm230p
4-7615-2284-4
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減り続ける新規投資と対照的に、保全への費用は20年後に1.4倍になると予想されている。不具合発生後に補修を行う事後保全からファシリティマネジメントまでを見据えた、ストック活用時代における建築産業の可能性を探る。
【著者紹介】
〈巽〉1929年京都府生まれ。京都大学大学院工学研究科博士課程修了。同大学名誉教授等。
<内容解説・構成>
わが国は「除幕式行政」という言葉に言い表されているように,新しく建築物を造ることに対してはすこぶる関心が高く,逆に,既存建築物に対する保全の意識は極めて低く,古い建築物を取り壊しては次々に建築物を新築する,いわゆるスクラップ・アンド・ビルドという行為を繰返し行うことによって建築生産を促し,経済成長を支えてきている.
現在,わが国の建築の新規投資は減速してきている.これは経済活動の停滞がその根本的原因ではあるが,日本の社会が成熟し,建築ストックの増大という構造的問題に直面している.建築市場の将来予測によれば,20年後には新築投資は現在の0.7〜0.9倍に減少するのに対し,保全に充てられる費用は1.4倍にもなることが見込まれている.一方,地球環境保全の観点からも,建築物の建設段階とその運用段階の全体を通じて,省資源・省エネルギーがきわめて重要な課題となっている.この意味において,本書の持つ意義はまさしく時機を得たものである.建築界で既に活躍している人にとっては絶好の実用書として,これから活動する人にとっては入門書として,ストック活用時代の建築産業の可能性を探るために是非一読されることを勧める。
本書の構成のしたがって内容を概説すると,
序章は「いま,なぜ建築保全か」と題して,建築保全の必要性を建築市場の将来予測のデータをもとに,ストックの文化への転換としての イントロダクション.
第1章「建築保全とは何か」では,建築保全に対する捉え方が解説され,建築の劣化と寿命)(建築保全と費用)(公共建築保全の特質)におけるそれぞれのあり方を概括的に紹介.
第2章「建築保全の実際」は,実務上にどのような問題があり業務が行 われているのかについて,(建築・設備の保全についての実態)(道 連れ工事)(用途変更)をテーマとして取り上げその重要性について解説.
第3章「建築保全のシステム化」では,(情報)(計画)(設備)(設計)(工事発注)それぞれの諸項目におけるシステム化について論じ,またそ の考え方の提案.
第4章「建築保全の多様な取り組み」では,先進的かつ特徴的な保全業務の取り組み事例として,(自治体)(JR西日本)(森ビル)(NTT)(建築保全センター)(BELCA)を紹介.
第5章「これからの建築保全」では,最終章として,(保全の哲学)(ライフサイクルのトータル・マネジメント)(保全産業の展望)と題して,将来に向けての「進化する建築保全」の方向性を示し,ストック活用時代における建築界と建築学に新しいパラダイムの提起.
 
編著:巽和夫・柏原士郎・古阪秀三
執筆者:巽和夫・柏原士郎・古阪秀三・吉田治典・
        曽根陽子・八木康夫・高橋暁
[八木康夫]