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069      071号



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『YET HIROSHI HARA』
『YET HIROSHI HARA』

著:原広司
発行:TOTO出版
定価:(本体2,000円+税)B5・190×250mm・336p
日本語・英語・スペイン語併記
978-4-88706-307-5
アートディレクション=秋田寛
デザイン=秋田寛+アキタ・デザイン・カン
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原広司のまだ建っていないイェットな建築を一挙に紹介する異色の書!建築家・原広司(はら・ひろし)は、京都の玄関口に巨大な谷間を創出した「JR 京都駅ビル」や、天然芝サッカー場を空気の力で屋内外に移動させる「札幌ドーム」など、常人には思いもよらない建築を実現させています。しかし本書では、あえて原 広司のまだ建っていないイェットな建築ばかり40作品を紹介します。なぜなら未完の建築には、実現した建築以上に原 広司の「構想力」がダイレクトに詰まっているからです。例えば、東京駅上空に空中都市が広がる「Mid-air City」、一辺500mの巨大な立方体に10万人が暮らす立体都市「500m×500m×500m」、さらには月を活動拠点にした「地球外建築」まで、イェットな建築に込められた原 広司の構想力には限界がありません。さらに、本書のために書き下ろした、原 広司のデザインの鍵となっている100のキーワードがビジュアルと交錯し、読者の構想力さえも奮い立てます。
単なる建築作品集の枠を超えた意欲的な試みとなる本書、ぜひご覧ください。
[プロフィール原広司 Hiroshi Hara]
1936年神奈川県生まれ。1959年東京大学工学部建築学科卒業。1961年東京大学大学院修士課程修了。1964年東京大学大学院博士課程修了、東洋大学工学部助教授。1969年東京大学生産技術研究所助教授。1970〜98年設計活動をアトリエ・ファイ建築研究所と共同。1982年東京大学生産技術研究所教授。1997年東京大学名誉教授。1999年原広司+アトリエ・ファイ建築研究所に社名変更。2001年ウルグアイ国立大学 Profesor Ad Honorem。
主な受賞に、1986年日本建築学会賞(田崎美術館)、1987年AD Award(ヤマトインターナショナル)、LUMEN Award(影のロボット)、1988年第一回村野藤吾賞(ヤマトインターナショナル)、BCS賞(ヤマトインターナショナル)、サントリー学芸賞(『空間〈機能から様相へ〉』)、1993年日経BP技術賞大賞(梅田スカイビル)、1995年日本建築学会作品選奨(内子町立大瀬中学校)、2001年ブルネル賞建築部門奨励賞(JR 京都駅ビル)、2003年日本建築学会作品選奨(札幌ドーム)、日経BP 技術賞(札幌ドーム)など。 コンテンツ序論――3つのアプローチ/弁証法と「非ず非ず」の間で、うろうろするYET……原広司
作品
有孔体の世界:エンバイラメント展  1965
Σ3  2008
Σ8  2005 台湾
広島市新球場設計・技術提案競技  2005 広島
サンパオロ銀行新本社屋国際指名設計競技  2006 イタリア
確率空間としての都市  1968
500m×500m×500m I  1992
キューブ・ハウス  1997
横須賀市営鴨居住宅建替建築設計エスキスコンペ  2005 神奈川
浮遊の思想  1968
インダクション・ハウス  1968
Mid-air City  1989
地球外建築  1992
ヘラクレスの柱 : 建築と美術展  1977
Future in Furniture :モビリア国際指名家具デザイン競技  1992
Urban Micro Topography in SoHo  1999 アメリカ
台北巨蛋BOT 提案競技  2004 台湾
500m×500m×500m II  1993
梅田スカイビルの原案  1988 大阪
ラ・ヴィレット公園 :パリ国際設計競技  1982 フランス
メディアパーク都市計画構想国際指名提案競技  1987 ドイツ
影のロボット : Tokyo: Form and Sprit 展  1984
25の譜面台 ―様相論的都市における記号場 :Japan Today 展  1994
Parc BIT 都市計画国際指名提案競技  1994 スペイン
離散型都市のためのスタディ :バーチャル・アーキテクチャー展  1997
大エジプト博物館国際設計競技  2002 エジプト
ヴォイドのアトラクター  2001
モントリオール国際都市設計競技  1990 カナダ
長崎県美術館プロポーザル  2001 長崎
北京オリンピックスタジアム国際指名設計競技  2003 中国
実験住宅ラテンアメリカ  2002
ピエモンテ州新庁舎国際指名設計競技  2000 イタリア
SKテレコム本社屋指名プロポーザル  2001 韓国
セミナリオ・モンテビデオ II  1999
セミナリオ・モンテビデオ IV  2001
太原南駅周辺地区都市計画  2006 中国
デリー・メトロの3つの駅周辺地区計画  2007 インド
ニコラス・G・ハイエック・センター指名設計競技  2004 東京
広州市双塔(西塔)国際指名設計競技  2004 中国
[イベントレポートYETの様相] -レポーター=櫻井一弥-
「様相」を紐解く“雲”と“流れ”

“YET : Cloud and Flow”と名付けられた原広司さんの講演会は、未完のプロジェクトと実際に建築として結実したプロジェクトが全く等価に扱われ、雲と流れをキーワードに作品を紹介するというスタイルで始められた。動画で示された原自邸はいまなお輝きを失っていないし、札幌ドームのモードチェンジなどは見ているだけで興奮するのだが、そうした建築の即物的な評価とは別に、原さんの思考が“比較的”わかりやすく説明された貴重な機会であったように思う。
Cloud = 雲のように、時々刻々とその様態を変化させながら存在する建築Flow = 流れのように、その場を支配するベクトル場が変わっていく空間.普段の原さんに比べるとだいぶ平易な言葉でお話しされていたと思うので、私を含め一般の来場者もおおかた理解できたのではないかと推察できるが、原理論の真骨頂とも言える位相幾何学的・論理学的なアプローチの話となると最早完全には理解不能。理解不能なのだが、そこに表現された、常に未来を感じさせる概念やスケッチというのは、他の建築家にはマネのできない大きな魅力となって我々に迫ってくる。近年のクラウド・コンピューティングを参照しながら、結構昔のプロジェクトの雲的な特徴を述べるところなど、その先見性の確かさには驚かされる。原さんが初期のころから引き合いに出す「様相」という論理学用語。建築を一つの物理的な固定された実態として理解するのではなく、時間軸上に展開された場-fieldの集合として記述しようとするフレームが、今回の雲と流れという括りによって、ぼんやりとではあるにせよ多くの人々の心に印象づけられたはずだ。
「YET HIROSHI HARA」の鮮烈な魅力
今回の講演会は、同名の新著の出版記念講演である。YET、すなわち未完の建築プロジェクトを集めたもの。初期のころからほとんど一貫した手法が採られていることに改めて驚いた。学生になり立てのころ、原さんのラ・ヴィレット公園コンペ案を見て衝撃を受けたことを思い出す。その時点で既に10年以上前の作品であった訳だが、コンピュータによる作図やプレゼンテーションがまだ一般的でなかったころ、レイヤーという概念を用い、建築を現象の重ね合わせとして説明しようとするクールで特徴的な手法に憧れた。レイヤーという考え方は、その後CADの普及などによって建築系の学生にはすんなりと身体化されていったのだが、ここでも原さんの先見性が光っていたと言えるだろう。本の中に散りばめられた「YETの教え」――短いアフォリズムは、ニーチェの思想を彷彿とさせる。そこには体系化された理論があるわけではなく、極めて断片的な小文の集積なのだが、それがかえって力強く我々の胸を打つのである。鋭い洞察と魅力的な絵。パラパラと本をめくっただけでも、それらが鮮烈に浮かび上がってくるのを実感できるのではないだろうか。
[櫻井一弥 Kazuya Sakurai]
1972年宮城県生まれ1996年東北大学工学部建築学科卒業1998年東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻 修士課程修了2000年-東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻 助手2005年-SOY source建築設計事務所共同主宰2010年?東北学院大学工学部 准教授主な受賞歴 2008年グッドデザイン賞、日本建築学会作品選集2009年キッズデザイン賞2010年JIA東北住宅大賞優秀賞。



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